2014.05.24 Saturday
源流でドライフライフィッシング
普通、ドライフライの釣りは下流の里川から始まり、季節の進みに合わせて上流へ。と言うのが一般的ですが、豪雪地域と言われて久しいうちらの地方では、積雪の多い里山や標高2,000mに迫る高山を水源にする中規模河川が多く、新緑盛りのこの時期は雪シロも最盛期。地質の関係で強い濁りも入って、本流筋の下流・中流域ではとても水面での釣りは成立しない、と言うか…
川を選び、時期やタイミングを選び、時間帯を選べば何とかなるのでしょうが、そもそも源流志向の自分は、季節の進行とともに憑りつかれたように上へ上へと足を運んでしまうのです。
結果、最上流までの間、幾つもの沢筋からの雪解けを集めた流れは気温が上がるとともに増水。水温もこの時期になっても6〜7℃と低温で、ニンフでしか対応出来ないのが実情。
ここは4月の終わりにも訪れた同じ川ですが、今回は季節が確実に進んでいることを実感することに。前回は深みに定位して動かず(濁りで見えないため厭くまでも想像)、シンカーをたっぷり付けて目の前にニンフをぶら提げなければ口を使ってくれなかったイワナ達でしたが、この日はシンカーも付けず、マーカー下を短めにして軽いハーズイヤーなどを流れに乗せるルースニング。すると、ここぞというポイントではかなりの高確率で反応してくれます。
深い谷に遅い朝日が差し込み、ストーンフライが中心のハッチが始まる頃には、マーカー下10センチ程でも流れの芯でハッキリとアタリが取れるように。正直、ニンフの釣りに対する印象はこれまで良くなかったのですが、こうテンポよく釣れ出すと少し見方が変わってきます。盛期ではドライ一辺倒ですが、水面での反応が今一と言うときは、思い切って水面下に切り替えるってのもありだなって。いい勉強になりますね。
さらに上流に向かい、雪渓もちらほらと現われる源流域へ。高度も上がり雪解けの勢いもスローになるのでしょうか、水量も多少落ち着き気味に。日も高くなり気温も上がって眩しく輝く水面が羽化した水生昆虫で賑わいだす頃には、身体を露わにするほどのライズも確認できて、水温も9℃まで上昇、そろそろドライに切り替えです。上下逆転、最上流でドライフライフィッシング。これがうちらの地方の釣りって言うか、自分のスタイル。ここまで来なければ、と言うかここまで来くるか…って感じですが(笑)
苦労して向かった先で、ようやくの水面での一尾。この感動は格別なものとなりました。
感謝を込めて冷たい流れに戻す。次回訪れるときには盛期を迎えて、一回り逞しく育っていることでしょう。
嬉しいドライでの釣りと満開の山藤が印象的な五月後半の釣行となりました。
2014.05.18 Sunday
上か下か?3℃の差
テンカラ・Kさんと出かけた北陸の渓。既に5月も半ばを過ぎ、季節は晩春から初夏へと移ろうこの時期になっても、雪解け間もないこちらの河畔と言えば、いまだフキノトウの最盛期。上流へ向かうほどに厚みを増す雪渓がすべてなくなるまでのもう暫くの間、この早春の香りに出合えることは嬉しい限り。
しかし、嬉しくないのはこの水況。こちらの渓、地質の関係で雪シロによる濁りはほとんどないものの、水嵩がなかなか落ち着かないのが困りもの。
水源の山々を見れば、そんなに都合よく行かないのは一目瞭然。この時期、地元の本流筋ではまず出会えないジンクリアな流れで、そして新緑眩しい素晴らしいロケーションの中、気持ち良くロッドが振れる幸福感。ここまで足を延ばした価値ありと言うものです。
それでも、目的が釣りであるからには、ただ、ただ、ロッドを振っているだけじゃつまらないのも本音。
水温6℃の冷たいガンガン流れの中ですが、何とか白泡脇の緩い巻きや深みの緩流帯に重いニンフを送り込んで何とかアタリを取ります。状況によって如何に対応するか?これもまた自然相手のフライフィッシングの面白味。
そして、透明度の高いこの川では場所によって水中を漂うニンフを追うイワナの姿も確認でき、確実に季節が進んでいることを実感。同じニンフの釣りでも、この間まで地元でやっていた重いシンカーを付けてのミャク釣法とは満足度が違います。
そして、午後からは下流に戻って南から入る支流を釣ることに。こちらは多少水量も落ち着き気味でミドリカワゲラを中心にハッチもちらほら。水温も9℃と高めのためドライフライで行けることを確信。結んだフライは視認性を重視してCDCカディスをチョイス。
こちらもまた、水面が大人しい巻きや緩流帯を中心にふわっとフライを浮かべると…
まだまだ盛期とは言えないまでも、深い水中から勢い良く浮上する姿勢はやる気満々。この水系での嬉しいドライ初ヒットとなりました。ニンフからドライへの移行期に毎シーズン感じるこの感動。やっぱり、何んと言ってもこの釣りはドライの方が圧倒的に楽しいですね。
その後、何尾か追加して、満足のうちにロッドを納めました。
ニリンソウ
そして、渓畔に咲くこんな可憐な花にレンズを向けるのもまた楽しみの一つ。
緑のコントラストもこの時期ならではの美しさです。この若き緑も日を追うごとに濃さを増していくことでしょう。
と言うわけで、今年もまたこの水系、1日で2度おいしい釣りを楽しむことが出来ました。
テンカラ・Kさん、今回もお世話になりました。もう少し季節が進んで、水面が賑わうようになったら再訪してみましょう。
2014.05.10 Saturday
良い季節になりました
タイトル通り、つくづく感じたこの日。地元に遅いドライのシーズンがやって来ました。
新緑の渓に日が差し込み、水も温み、水生昆虫が羽化する時間が訪れると…
深みのある反転流にふわっとフライを浮かべる。忘れていた水面が割れる時を待つワクワク感、ドキドキ感が蘇る。
幸運にもヒットした渓魚の躍動がリーダー、ライン、ロッドを通して手元に伝わる。そして、キャッチするまでの緊張感とネットインした瞬間の幸福感。やっぱり水面での駆け引きの釣りは格別です。
今日はこの時期の定番、ミドリカワゲラが沢山ハッチ。そして、迷わず結んだフライはこちらのイエローカラー系。
躊躇なく咥えてくれた良型。狙いを付けたポイント、合わせたフライ、思惑通りのヒット。文句なく楽しい。この日、ドライ開幕初日としては上々の釣果となりました。
とは言え、上流を見上げるとまだ、こんな感じで…。これが消え失せる頃には本格的なドライシーズンの到来となるでしょう。
2014.05.06 Tuesday
新緑の魚沼 GWの旅のこと
GW最終の連休、薫風香る新緑の魚沼方面への旅を満喫して来ました。昨冬から奥さんと始めた温泉二人旅、今回の行く先は魚沼は湯之谷温泉郷大湯温泉。
途中、立ち寄った有名な魚野川の「堀之内やな場」 川縁に組み付けた簗ではアユなどのつかみ取り体験ができるようですが、今はまだアユには早く、ヤマメや鯉が掛かるとのこと。
こちらでは川魚メインのお料理をいただくことが出来ます。定番のアユの塩焼きやヤマメの甘露煮、そして鯉の洗いなどの美味しい御膳をいただき大満足。
そして、魚沼市の道の駅「深雪の里」
イワナの塩焼き(500円は安い!)をいただく。やっぱりイワナはこの調理法に勝るものなしですね。
今日のお宿は大湯温泉「村上屋旅館」
6階のお部屋の窓からは牧歌的な山里風景と後ろに聳える越後駒ケ岳の眺望が
屋上露天風呂からも… ゆっくりとした時間が流れます。
お風呂をいただいてから、夕食までの間、宿の周辺を散策。
この素朴さに癒されます。
待ちに待った豪華な山の幸を中心としたお料理。
イワナ(本日2尾目)の塩焼きも。 お宿オリジナルの”渓風 佐梨川”で一杯。
翌日は長岡市山古志のアルパカ牧場へ。
旅の終わりは寺泊のアメヤ横丁に寄って海鮮のランチとお買い物。
こんなまったりした2日間。楽しかったね。また半年後を楽しみに…。
2014.05.04 Sunday
新緑の米山登山
ぽっかり予定の空いたGW後半4連休の2日目。昨日のちょいハード釣行の疲れもあり、寝坊でもしてまったり過ごそうかとも思いましたが、この天気でしょ。爽やかな五月晴れの一日、どこか季節を感じられるところに出かけなければもったいない。
そこで思い立って向かった先は、上越市と柏崎市を跨ぐ標高993mの霊峰米山。上越市側の水野林道終点の登山口から登れば小一時間のお気楽登山です。
とは言え、こちら水野林道コースは階段状急登で一気に標高を稼ぐ大腿筋に堪えるコース。今回はデイパックにペットとおにぎり程度の軽装備ですが、前回登ったのは20年近く前。職場の友人達と山頂の山小屋泊りで宴会付きって言う企画で、目いっぱいの食糧とアルコール類でパンパンの60Lザックを背負って。若かりし頃です。飲みたい食べたいの一信でしたが、相当辛かったことを思い出します(苦笑)
急登の合間に臨む絶景と谷合を通って吹き上げる爽やかな風に癒されます。
新緑のブナ林は眩しく、まさに”目に青葉”そのもの。
ひとしきり筋トレの連続をやり過ごすと切り立った尾根のピークが眼前に。今年は少雪で雪解けも進んだせいかこちらには残雪がありませんでしたが、ここは滑落注意の唯一の難所です。
頂上が近づくと登山道の残雪も所々に姿を現し、雪解けに足元がぬかるみますが、滑らぬようにしっかりと踏みしめて上り詰めると
登り始めてちょうど1時間で山頂に到着。立派な無料の頂上小屋がお出迎え。久し振りの再開です。
1000m足らずの標高ですが、山頂からの360度の眺望は圧巻です。日本海に沈む夕日はさぞかし素晴らしいことでしょう。何時か機会を見つけてお泊りで拝みたいもの。ご来光のブロッケン現象も。
帰りは目に留まった可憐な花々やブナ林を写真に収めながら…それでも40分。思い付きで登ったお気楽な登山でしたが、良い日に訪れることが出来て良かった。次回は紅葉燃える時期にでも…。
2014.05.04 Sunday
春渓仕様
雪代増水の激流渡渉、スノーブリッジ乗越え、雪渓のガレ場渡り、春の山渓には危険がいっぱい。今シーズンからテンカラ・Kさんを見習い、自分もこのスタイルに。基本、仕事も趣味も安全第一。やっぱりアルパインヘルメットを身に着けると安心感が違います。
GW後半の初日、この装備で勇んで向かったのは、昨夏に久し振りに訪れた地元西方面の本流。そして、自分にとってはこの季節の入渓は初めてとなります。もちろん今回も力強くて心強いテンカラ・Kさんとのタッグで。
あ〜、麗しの新緑の渓。季節が進むと背丈を超える萱が主体の鬱蒼としたブッシュが生い茂り、水辺まで辿り着くのは一苦労なのですが、この時期は別世界のよう。
しかし、渓の上流に進むにつれ分厚い雪渓が姿を現しはじめると季節は一転、早春に逆行となります。芽吹きが始まったばかりでしょうか。
されど季節は確実に進んでいます。当然、水中での捕食ですが、前回、訪れたお隣の渓の時よりは渓魚達の目線は確実に上に向かってるように感じられました。待望のドライでの釣りまでもう少しの辛抱ですね。
激流渡渉は大変でしたが、色々な意味で貴重で少しスリリング体験が出来た一日となりました。テンカラ・Kさん、大変お世話になりました。