2013.06.29 Saturday
源流へ
間もなく7月、毎年この頃に出かける市内の西を流れる源流もそろそろ良い頃に。
そして、やっぱり奥の奥には未だ溶けきらぬ巨大な雪渓が懲りない釣師を出迎えてくれます。
最上流には三段の滝が、貪欲な釣り師の行く手を阻みます。渓魚を追いかけここまで来たか、まったく自分でも感心ます(笑)
そんな幽谷の渓でひっそりと息づいている彼らとの貴重な出会い。ここに来た者だけに与えられたチャンスです。
冬は大量の雪で閉ざされた、そして真夏は渇水となる、この源流域の厳しい自然環境の中でいったい何年、歳を越して来たのでしょう。その生命力には改めて驚かされます。
もっともっと賢くなって、そして一回りも二回りも大きくなってまた会いに来てください。
ここまで運んできたデジイチでしつこく(笑)データファイルに収めた後、住み慣れた流れに帰っていただきました。
帰りは2時間強の川通し。ガッツリ疲れます。でも、その疲労感も嫌いじゃない。
次はどこの源流へ行きましょうか。ほんとうに懲りない釣師です(笑)
2013.06.23 Sunday
春蝉の鳴く渓へ
ようやく梅雨入りした上越地方。今週末はその梅雨前線の真っ只中、久しぶりにレインウエアーの脱げない釣りとなりました。
訪れたのは信越国境を流れる標高1000mを越える高原の渓。そして今回もDoumtakaさんにご一緒いただきました。
降りしきる雨で増水が心配されたものの、この渓は鬱蒼とした巨木ブナ林を縫って流れているため比較的水量は安定しており、心配をよそに浄化された清らかな水が私たちを出迎えてくれました。
梅雨入り前は暫くまとまった雨がなく、低山を源とする流れでは渇水も心配されていましたが、標高のあるこちらは心配無用のようで、もう全てが活性化している様子でした。
そして、雨の渓で飽きない程度に顔を出してくれるイワナ達もまた同じ。森が育む陸生昆虫を盛んに捕食して、もうすでに秋への準備をすすめているようです。
と言ってもさすがにここは高地だけあって、水のメチャクチャ冷たいこと。長いこと手を浸けてはいれません。
きれいな水と緑美しい木々は私達の体だけでなく心も浄化してくれるようで、雨の晴れ間に暫し釣りの手を休めて河原の石に腰かけると、ふ〜っと川風が頬を撫ぜて心地よいこと。まったりと穏やかな気持ちにさせてくれます。普段の生活でもこんなふうに穏やかな気持ちで行きたいものですが、なかなか・・・(笑)
名もなき花々(知らないだけ・・・)が彩を添えて、
もう少しすると夏山のハイシーズンに。こちらも益々賑わうことでしょう。
今回は予想外な発見(!?)も色々あり、なかなか価値ある釣行となりましたね。また、盛夏にでも避暑を兼ねて訪れてみましょう。
2013.06.12 Wednesday
猛暑の翡翠渓谷
今日は春の健康診断で赤点もらった教科の追試で休暇を頂いたんですが、一日仕事を予想していたのに意外と早く終わったんで(と言っても採血と胃カメラの予約だけですけどね・・・)、せっかくの休暇、そのつもりは全くなかったんですが(笑)、今年2回目の翡翠の渓に行って来ました。実は先週末にDoumtakaさんと行ってきたのも翡翠の渓と言われていまして、こちらもまた別の翡翠の渓。何回通っても翡翠なんて見つけたことないでけどね(^^;でも、翡翠コーミングのためだけに訪れる方もいるんですよ。
こちらも相変わらず男性的な渓谷。何度訪れてもそそり立つ岸壁に圧倒されます。見上げるとゾクゾクするほどです。ところが今日の気温はと言うとゾクゾクするどころか、太平洋側を進む台風3号影響?フェーン現象でしょうか?30℃を上回るぴーかんで、逆にトリハダが立つほどの厳しい暑さとなりました。
そして、釣りの方も非常に厳しい状況。この渓はご覧の通りの開けた渓でして、晴天の真昼間での釣果はそもそも期待できません。しかもこの陽気では・・・まあ、想定内でしたが(^^;
そんな状況の中、ためらいなく流れで咥えてくれたこちらのイワナ。3時間程の釣りでしたが、後にも先にも顔を見せてくれたのはこの子だけ。
そして、結んだフライはすっかりこれ。完全に夏仕様となってしまいましたが、でも一番信頼できるんですよね(^^
ここに来るまでのどこの本流筋も増水濁りだったんですが、ここはこの規模でも結構早くから水が落ち着きます。水温も昼前の入渓時点で16℃と驚きの温度でしたが、ナーバスな渓魚達は炎天下では底ベッタリなんでしょうね。
もう今日はキャスティング練習と写真の修行と割り切って、汗を拭き拭き励みました。これが今年のテーマとするスローフィッシング。釣れない時の苦しい言い訳じゃありませんよ(笑)
明るい単焦点レンズなんでスローシャッタームズイです。この光量だとND8(減光フィルター)でも厳しいですね。カメラ機材も買い足したいけど、なかなか・・・。
今日はこんな感じで一式背負って・・・ 暑いわけだよね〜
後でニュース見たら上越市は36℃あったみたいです。休みで良かった・・・(^^;
2013.06.08 Saturday
原点回帰
この週末はDoumtakaさんと県内西端の日本海に注ぐ大河の支流へキャンプ&FFへ行って来ました。ここは支流と言っても規模的には本流筋と見紛う程の大規模支流。シーズン中2〜3度は訪れる当ブログではお馴染みの渓ですが、自分の中では全てにおいて”絶対完璧の渓” アクセスの良さ、豪壮な景観と渓相、渓魚の美しさは一級品です。
そして新緑のこの時期、キャンプには絶好のシーズン。川の状況は着くまで心配だったけど、先週末に訪れた友人の情報ではまずまずとのことだったので、思い切って出かけました。
車止めから60Lのザックを担いで、マウンテンバイクを押したり、乗ったりで約30分。目的の河畔のサイトに着いたのが16時半頃か。水の状況はかなり多めではあったけど、濁りもほとんどなく、まあ何とかなるでしょう。早速、テントを設営して、釣り支度を整え河原へ向かいます。陽が長いこの時期ですから、ゆっくり2時間はイブニングの釣りを楽しむことできますね。
水温を計ると意外にも11℃と高め。まだこの時期、夕方のこの時間、ユキシロの影響で水嵩は増してはいるようですが、この水温であればドライでもいけるはずです。ご覧のような流れですから、ポイントは多くあるのですが対岸へ渡れる状況ではありません。手前の緩いポイントの巻きを中心に攻めます。
と、いきなり良型が白泡下から半沈みのPパラにアタック。一度二度と針当たりをしてもまた果敢に挑んで来ます。増水とイブニングで今日一番の捕食スイッチの入った時間が渓魚達の警戒心を緩くしているようです。
3回目で嬉しいフッキング。28cmの見事なコンデションのイワナでした。何時もはリリースの自分も、今日ばかりはキャンプサイトでの献立としてキープ。ありがたく渓流の恵みを戴きましょう。
こんな感じで幸先の良いスタート。次に期待は膨らみますが・・・
しかし、この水況ではポイントは限られます。盛期前のこの時期、いくらイブニングとは言えども何処でもと言うわけには行きません。ブラインドでここぞというポイントに毛ばりを打ち込みますが、見に来てもUターンと言う状況が続きます。
夕刻の時間は早いもので、残されたゴールデンタイムはあとわずか。薄暮も近くなり、期も熟した時間帯。隣り合った2つの落ち込みが合わさって、白泡立つ流れの前にできた中規模の緩い巻き返し。十分な深さがあり、ラストチャンスにはうってつけのポイント。慎重にPパラを送り込むと・・・
流れに飲み込まれる瞬間、黒い影が”ふっ”と毛ばりを吸い込みました。4番ロッドにズッシリ伝わる重量感。一気に急流に逃げ込みます。7Xのティペット大丈夫!?不安が過ります。この水量なんで、たかだか30cm程でもティペットに架かる荷重は大変なもので、無理にはロッドを煽れません。ラインを手繰りながら着かず離れず5m程下流に下って、激瀬を横切らせて、ひやひやながらも何とか無事ネットイン。
34cmの大頭と大尾びれが印象的な雄イワナでした。毛ばりは上顎奥にガッチリでしたが、この厳つい口角を見ると、よく細いティペットが持ち応えてくれたと改めて思います。イワナの動きに逆らわずに合わせた作戦が良かったのでしょう。一日目を締め括るラッキーな一尾でした。
ラストチャンスの好釣に気を良くして、キャンプサイトに戻り、いよいよ今日のお楽しみの夕食です。釣ったイワナやDoumtakaさんが採った山菜などの山の幸を肴に冷たいビールと日本酒の宴。色々な趣味談義を楽しみながら、渓谷の長い夜が更けていきました。
そして、翌日は4時半に起床。Doumtakaさんはゆっくり休まれたようですが、自分は久し振りの野営のためか、翌日の釣りへの期待に昂ぶってか?ほとんど寝つけず朝を迎えました。もっとも、早朝出発の釣りの前日は、家でも寝付けないことがよくあるんです。思考回路が子供なんです(苦笑)
朝食を摂って、テントを撤収。6時には渓に立ったでしょうか。心配だった空模様も早朝から青空がのぞき、川面を渡る風は梅雨模様の昨日とは打って変わって爽やかなもの。気持ちの良い一日になりそうです。
水嵩は昨日より20〜30cm下がっていますが、水温は6時で8℃。厳しい釣りを強いられそうな予感が・・・ ドライはどうなんでしょう?一度ドライに変えると手返しの良さから、なかなかニンフには戻れなく、昨夕の釣果に気を良くして今日もドライで通すことに。堅実なDoumtakaさんはルースニングで攻めるよう。水面か中層か?それとも底ベタ(それはないでしょうが)か?システムを違えての釣りで、今日の傾向を探ります。
そして、どうも最初の予感が的中したようで、ここぞというポイントに打てども打てどもなかなか水面付近には顔を見せてくれません。そしてこの日の最初の釣果はと言うと、随分陽が高くなってからのこと。アントパラシュートをたまたま開きでのライズ食いでしたが、毛ばりが合うとか合わないとか、付き場が何処とかの状況ではなく、捕食層の問題のように思われます。なんせ、10時でも9℃ですし、表層での姿はほとんど見えません。でも変に頑固な自分は、ドライでの結果に固執します。
Doumtakaさんはというと、ウエイトは巻き込みワイヤーのみのようですが、堅実に釣果が出ているようです。
時折、フライの下での動きは確認できるものの、まだ水面への興味が薄いようです。羽虫の姿もほとんどないし、この穏やかな天候からすると、上からの甲虫類の流下も少ないのでしょうか?でも、もう一歩って感じもしますが。
この日に最初に結んだフライはPパラですが、荒い流れでは踏ん張りと視認性が悪いので、途中でハックルを厚く巻いたアント系に替えたのです。でも反応少なく、やっぱり中層かと思い直し、コパワイヤーを巻いたフェザントテールに浮気。それでも結果は出ずに時間は進むばかり。
陽は天中に登り、ますます厳しい状況に。行程も3分の2に差し掛かった辺り、深く狭い急流の大場所に。ここは昨年の盛期に尺越えを掛けた流れであることを思い出しました。
やるなら今でしょ!心機一転・原点回帰。7Xのティペットを切って、6Xに結び直します。浮気していたニンフから#11ゴールデンアントパラシュートに。ボディ材は平ワイヤーのティンセルで沈みやすいことからドライとしては扱いずらいのですが、こんな時は思い切ったチェンジが良い結果を。水面下辺りで何とかっ!て思いを込めて、ポイントに投入。
案の定、水面に踏ん張れず、強い流れに巻き込まれた瞬間、ひらっ!と魚体が・・・
咥えて一気に下流へ。ここは足場が悪く、追従できません。巨岩下に逃げ込もうとする。その前には倒木が・・・まずい! 左手のラインをゆっくり引き寄せながらロッドで何とか堪える。そして、引き寄せて何とかキャッチしたのは尺ジャストの美形雌イワナでした。
この戦いの勝者。金の微糖や金麦ってのはあるけど、金の虫なんてあまり聞かないんですが。何がこの魚の食欲、興味をそそったのか?やっぱりなんの世界でも成熟されたご婦人は光り物がお好みのようで(笑)
こんな感じで結果よしで閉めることが出来た今回のキャンプ&釣行。久し振りにアウトドア魂に火が付きそうな・・・釣りの方はと言うと、水面盛期にはあと半月ってところでしょうか?
ご一緒いただいたDountakaさん、大変お疲れ様でした。この渓は初めてということでしたが、大そう気に入られたようで良かったです。キャンプサイトも最高でしたしね!永く、永く、大切にしたい渓ですね。
そして、アブ前にもう一度訪れたいものです(^0^)
2013.06.02 Sunday
いよいよ良い時期に・・・
前回はGWの初め、芽吹きの頃、ニンフでしか釣果の出なかった隣県の渓。そろそろ水面を流下する餌に興味を示している頃合いと思い、ふたたび訪れてみました。
と言うのも昨年のこの週、何の情報もなくこの渓を訪れて思わぬ良い釣りが出来たという好印象があり、地元の渓が盛期を迎えるまでのリリーフ的な位置づけで、少し遠いけど足を伸ばします。
本当はこの日、もう少し手前の初めての川でヤマメ狙いを目論んでいたのですが、覗いてみると時期尚早。朝の時点で既に増水です。水源での雪解けが進んでいるのでしょうね。本流の中流域だけにとてもフライで攻められる状況ではなかったため、実績のあるこの渓への再訪となった理由です。
とは言えここも本流筋、水源は雪を頂いた北アルプスの北端の峰々であり、平水であるわけはありません。そして、今さらニンフでもないので、今日は当然ドライ1本と決めてます。あとは水面勝負成立の必要条件である水温と濁りだけが心配。こればっかりは着いてみなければ分かりません。
6時過ぎに現地に到着。道中、覗いた下流から中流域は飛沫が飛び散る増水状態。釣りになるかいな?と思いましたが、幸い濁りは無くクリアな状況のため、いつもの車止めで支度を整えてそそくさと入渓。
ここは上流部と言えどもかなりの川幅があり、とても対岸に渡れるような状況ではありません。どっちかと言うと対岸に良いポイントが連続するんですが、ラインを繰り出して何とかポイントに入れても、激流に引っ張られて永くフライを置くことは不可能。活性が上がっていれば落ち一で吸い込んでくれますが、さて今回はどうでしょうか?
水温を計ると8℃。ちょっと厳しいか?この水況を見ると、水温の大幅な上昇は期待できません。って言うか、かえって気温の上昇による濁りが心配、早期の勝負でしょう。辺りを見ても大した虫っ気もないし、取り敢えず昨年当たったピーコックパラシュート#13(いきなりテレストリアルですが・・・)を6Xのティペットに結びます。リーダーは対岸攻略を意識して全長14〜15ftと自分としては長め。自分の技術ではこれが投射能力の限界です。
そして、入渓間もなく此方の岸の落ち込みの巻きにフライを投じると、難なく咥えてくれました。それもバリバリ食い気ある水面バッシャ!の出かたで、フライも上顎の奥に。
花崗岩主体のこの渓ならではの白い魚体。8寸程であまり大きくはありませんが、激流に逃げ込むため型以上にロッドを曲げてくれます。今年初の本流ドライでの釣果、ひやひやでしたが慎重にネットイン!無事、記念写真に収めることが出来ました。イワナの特徴である鰭の白線が印象的な美人さんでした。
幸先良いスタートだったんで、増水、冷水、濁りの心配のマイナス要因が吹っ飛び、頭の中では次の獲物への期待が一気に膨らんだのですが、、、良くあることで後が続きません。
対岸に点在する大物が潜みそうなポイントは流れの弱い所を通って、中腹の出来るだけ良いポジションから可能な限り狙いますが、千載一遇の大物との出会いは結局訪れませんでした。石裏の流れの緩い深みでは数尾のイワナが水面を伺う姿が確認できるのですが、フライをとっかえひっかえ入れても10回に1回程しか見に来ません。もちろん口は使いません。
10時頃で水温9℃、やっぱりユキシロが活性を落としているようです。
なんとか緩い流れでもう1尾(イ・チビ)を追加し隅イチ回避。陽が天中に近づき、案の定、濁りが入って来たところで本流を上がり、下流側の支流の谷へと向かいました。
こちらも水量は多少多めでしたが、水温11℃と期待が持てます。河原でコンビニおにぎりとペット茶と言う簡単な昼食を済ませると(今年はスローには何処へ行ったことか?)、早速に入渓。これまた勝手知ったるいつもの流れなんで、昨年もここでと言うポイントから躊躇なく咥えてくれ、一安心。大物は期待できませんが、ここぞというポイントからは結構高い確率でフライを追ってくれます。アベレージサイズ22〜23cmですが、一年ぶりにドライ釣りの興奮が蘇りました。
盛期前のこの時期、興味深いのは荒い水面でフライを追いかけるイワナ達の行動です。盛期では反転流でも、流れでも、開きでも、肩でも何処でもって感じですが、そこまで活性の上がってない状況下、餌がちらほら流れだし、興味も中層から上層へと向いてくると、落ち込みから瀬に向かう強い流れの白泡の下から、反転流などでフライの動きが鈍くなった瞬間に追ってくるって言う場面に良く出くわします。自分の中ではこんなイワナとの駆け引きがとてもスリリングで、面白く、手間暇かけて攻略する。こんな釣りが大好きで、「あ〜 またドライのシーズンが始まったな〜」って思える瞬間なんです。
この日も、こんなシュチュエーションで何尾か良型がフライを咥えてくれ、楽しい時間を過すことが出来ました。
このイワナもそんな感じで10回のフライチェンジの挙句にやっと水面下に沈んだフライを咥えてくれた1尾ですが、やっぱり最後はピーコックパラシュート!?ストマックはこれですもんね・・・ ドライシーズンの開幕がテレストリアルとは、さすがに何時ものことながら考えさせられます。こっちの釣りは”状況”より技巧”って感じでしょうか?大した技術は必要ありませんが、”技巧”は多少なりとも持ち合わせていないと難しい釣りを強いられます。って言うか”ねちっこさ(しつこさ)”がないとと言った方が正解かもしれませんね(笑)これ、あくまでも持論ですが・・・。
ヒメシャガ
6月を迎えて、地元の本流筋もそろそろ調査に行っても良い頃になります。あの雪渓はどうなったか?その雪渓の向こうは・・・ いよいよ期待の季節を迎えます。